ブロックチェーンとは?仕組みとマイニング方法を解説
仮想通貨に興味があっても、「専門用語がよく分からない」という方も多いと思います。
たしかにその通りで、仮想通貨の世界では「ブロックチェーン」や「マイニング」といった、日常生活では耳にすることのない言葉が多く登場します。
こういった単語にアレルギーを感じるのも、すごく分かります。でも、こういった単語を理解できると、仮想通貨に対する理解がぐっと深まることは間違いありません。
仮想通貨というと、ついつい「投資」の方にばかり目が行きがちですが、仮想通貨で真に注目すべきところは、実は「ブロックチェーン」という技術の方なのです。
大げさではなく、ブロックチェーンという技術は、近い将来世界を大きく変えるポテンシャルを持っている技術なんですね。
この記事では、仮想通貨の中でも特に重要なキーワードとなる「ブロックチェーン」に焦点を当てて、解説したいと思います。
ブロックチェーンの仕組みが分かれば分かるほど、仮想通貨の将来性を確信できるようになりますので、しっかりと内容を押さえてくださいね。
なお、仮想通貨の基本から学びたい人は、「仮想通貨の投資方法を完全解説!億り人になるための全知識とは?」も参考にしてみてください。
ブロックチェーンとはどんな技術?
ブロックチェーンとは、コンピューターとインターネットが世界規模に拡大・普及したことで可能となった、新しい技術です。
まずは、ブロックチェーンの歴史を振り返って、それから仕組みや特徴を順番に解説していきます。一番重要な部分ですので、しっかりと押さえましょう。
ビットコインが全ての始まり
ブロックチェーンという技術は、実は「ビットコイン」を実現させるために作られた技術です。
「ビットコインとイーサリアムの違いを解説!投資するならどっち?」でも解説している通り、ビットコインといえば、世界で最初の仮想通貨で、名実ともに世界で一番知られている仮想通貨です。
世の中的には、ビットコインの方に注目が集まりがちですが、「ビットコインの最大の発明はブロックチェーンだ」という話があるぐらいに、ブロックチェーンは注目すべき技術なのです。
ブロックチェーン技術を使ったビットコインの理論を最初に提唱したのが、「サトシ・ナカモト」という謎の人物です。
2008年10月、インターネット上に「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文を掲載したのが始まりです。その後、その理論を基にビットコインの開発が進められ、翌年の2009年1月には最初のビットコインが発行されました。
ブロックチェーンという技術が誕生してから、実はまだ10年ほどしか経っていません。
ただ、今まで一度もビットコインのブロックチェーンシステムは停止したことがないため、ブロックチェーン理論は現実世界でも通用するということが分かります。
取引の履歴をまとめたもの
ブロックチェーンを一言で説明すると、「仮想通貨の取引履歴をまとめたもの」となります。ブロックチェーンと聞くと難しそうですが、要は「取引履歴を記録する技術」ということなんですね。
仮想通貨の取引はリアルタイムで行われていますので、今この瞬間も取引履歴はどんどん発生しています。このまま放置していると、取引履歴が無限に溜まっていくことになります。
これではいけないので、例えばビットコインでは、10分に1回で取引を区切って、その間に行われた取引の履歴を、一つのブロックにまとめます。そのブロックをチェーンのように繋げたもの、それがブロックチェーンということになります。
つまり、ある一定期間の取引履歴をまとめたものがブロックで、ブロックをつなぎ合わせたものがブロックチェーンということです。ブロックチェーンには、今まで行われた取引履歴が全て記録されているのです。
不正を働くことがほぼ不可能
ブロックチェーン技術の大きな特徴が、世界中のコンピューターが、ブロックチェーンを個別に所有している点です。誰か一人だけが、ブロックチェーンを保有しているというわけではないんですね。
つまり、誰かがブロックチェーンを不正に改ざんしても、その他全てのコンピューターに保存されているブロックチェーンと取引履歴が一致しなくなるため、不正を働くことができません。
ここで例を挙げてみましょう。
例えば、誰かが仮想通貨を不正に入手しようと考えて、取引履歴(=ブロックチェーン)を書き換えたとしましょう。有りもしないのに、自分が100BTC保有していると、取引履歴を改ざんしてしまいました。
すると、こんなことが起きます。世界中に散らばっているブロックチェーンの情報と、不正を働こうとしている人のブロックチェーンの情報が一致しないのです。
この時点で、不正が明らかになるため、不正を働くことはできなくなります。
このように、世界中のコンピューターが同じブロックチェーンを持っているため、誰かが不正を働いても、それがすぐに分かるようになっているのです。
この「改ざん不可能性」によって仮想通貨に信用が生まれ、通貨としての取引ができるようになっているのです。
報酬目当てで記録作業が行われる
ブロックチェーンは、世界中のコンピューターが取引履歴の記録作業を行うことで、初めて機能します。この記録作業のことを「マイニング」といいます。そして、マイニングをする人を「マイナー」と呼びます。
マイニングについては、「仮想通貨のマイニングの仕組みを理解しよう!PoWとPoSの違いは?」でも詳しく解説しています。
ブロックチェーンの技術は非常に素晴らしいものですが、そもそもの話、世界中の人々がマイニングに参加しないことには、ブロックチェーンのシステムは機能しません。
しかも、マイニングに参加するためには、高性能なコンピューター設備を多数用意する必要がありますし、電気代も相当かかります。
ここまで手間と費用をかけて、どうして世界中の人はマイニングに参加するのでしょうか?
その理由は、「マイニングをすると報酬がもらえるから」ですね。
例えば、ビットコインをマイニングすると、報酬としてビットコインがもらえるようになっています。世界中の人は、この報酬欲しさに、こぞってマイニングに参加しているんです。
ここまでをまとめると、マイナーは、マイニングを行うことでその報酬を受け取ります。一方、仮想通貨はマイナーに報酬を支払うことで、その仕組みを維持しています。この両者の相互依存関係が、ブロックチェーンの仕組みを成り立たせているのです。
非常によくできた仕組みだと思いませんか?
特定の管理者がいらない
先ほども説明した通り、ブロックチェーンシステムのもとでは、世界中のコンピューターがブロックチェーンを持っているため、不正を働くことは不可能に近いです。
そのため、従来の仕組みのように、誰か特定の管理者がシステム全体を監視しなくても、自律的にシステムが稼働するようになっています。
つまり、ブロックチェーンシステムは、システム全体を管理する中央管理者が不要ということになります。
仮に特定のコンピューターがハッキングを受けたり故障したとしても、世界中にブロックチェーンのバックアップが存在するため、ブロックチェーンシステムには何の問題もありません。
もしもブロックチェーンシステムを破壊させたいと思ったら、世界中に存在するコンピューターを、同時に全て破壊するしか方法がありません。これは不可能です。
誰の手を加えずとも自律的に稼働し続けるブロックチェーンシステムは、非常に優れた仕組みであると考えられます。
マイニングの種類
「仮想通貨のマイニングの仕組みを理解しよう!PoWとPoSの違いは?」で説明している通り、仮想通貨のマイニング方法には、大きく2種類あります。
時価総額一位のビットコインが採用する方法がPoW、そのPoWの問題点を改善する形で生まれたのがPoSという方法です。
以下、それぞれの特徴について解説していきます。
PoW(Proof of Work、プルーフ・オブ・ワーク)
PoWを一言で言うと、高性能なコンピューターを使って莫大な計算作業を行い、一番最初に解を出した者が記録作業を行う(=マイニングに成功する)方法です。
ビットコインやライトコインなどは、このPoWを採用しています。
PoWの問題点として挙げられるのが、マイニングの際に莫大な電力を消費することです。この電力の問題は、世界中で問題視されています。
PoS(Proof of Stake、プルーフ・オブ・ステーク)
PoSとは、保有するコインの量に応じて、マイニングに成功する確率が変わってくる方法です。保有するコインの量が多ければ多いほど、マイニングの難易度が下がるようになっています。
PoWほどマイニングの際に電力を消費しませんので、より効率的なマイニングができようになっています。
アルトコインの多くは、このPoSを採用するものが多くなっています。ただ、PoSを単独で採用する通貨は珍しく、PoWや他の方法と組み合わせることが多いです。
ブロックチェーンを使ったプロジェクト
ここからは、ブロックチェーンを使ったプロジェクトをいくつかご紹介していきます。
あなたが投資しようとしている仮想通貨は、ブロックチェーンを使って世の中に貢献していこうとしているプロジェクトであることが多いです。あなたが実際にコインを保有することで、そのプロジェクトを応援することに繋がっているんですね。
単に上がりそうだからという理由だけで仮想通貨を選ぶのではなく、そのプロジェクトが実際に何を目指しているのかを確認することが、かなり重要となってきます。
ブロックチェーンを使ったプロジェクトは本当にたくさんありますので、あなたもぜひ自分で調べてみてくださいね。
こちらでは、イーサリアム、ファクトム、ヴェチェインの3種類のプロジェクトをご紹介します。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムで特徴的なのが「スマートコントラクト」という技術で、ブロックチェーン上に「契約情報」を記録する技術です。
例えば、「AさんがBさんに1万円を支払う」という契約情報をブロックチェーンに記録したとします。
すると、この契約情報に基づいて、AさんからBさんへ自動的に1万円の支払いが行われます。
Aさんがこっそり契約を取り消そうと思っても、ブロックチェーン上の記録を改ざんすることはできません。強制的に支払いが行われるのです。
このように、スマートコントラクトによって、従来のように間に第三者機関(仲介者)が入らなくても、自動的に契約が履行されるようになります。
もしもスマートコントラクトが普及したら、例えば契約を保証する役割を果たしていた裁判所や登記所、銀行などの機能は必要なくなります。スマートコントラクトを使って、安全確実、そして安価な費用で契約の保証を受けられるようになります。
なお、イーサリアムについては、「ビットコインとイーサリアムの違いを解説!投資するならどっち?」でも解説していますので、参考にしてみてくださいね。
ファクトム(Factom)
仮想通貨ファクトムとは、「ファクトム(Factom)の実力はいかに?仮想通貨の中で人気上昇中」でも解説している通り、文書などのデータをブロックチェーンに記録するプラットフォームです。
ファクトムは、ブロックチェーン技術を用いて書類をデータ管理することで、安全、確実、大量に記録することを目指しています。
現在、大量の文書データをサーバーなどに保管して管理するのは、管理コストが高くついたり、情報漏洩のリスクがあったりする恐れがあります。
ところが、ファクトムを利用すれば、自分でサーバーなどの設備を準備することなく、安価なコストで文書を保管することができます。しかも、データはブロックチェーン上に記録されますので、第三者が内容を変更することは不可能です。
ファクトムに不動産登記簿といった公的データを保管すれば、誰でも内容を閲覧可能ですし、同時に記録を改ざんすることもできませんので、将来的には法務局などの特定の管理機関が不要となると考えられます。
実際、ファクトムは「ファクトムハーモニー」というプロジェクトに力を入れています。
およそ160兆円にも及ぶアメリカの住宅ローン市場に参入し、不動産契約や登記、住宅ローンの支払い情報を、安全確実に管理することを目指しています。
仮にこのプロジェクトがうまくいけば、従来まで必要だった登記所や不動産仲介業者、金融業者などの第三者機関が不要になる可能性もあります。
ファクトムのポテンシャルは、計り知れません。
参照:ファクトム公式サイト
ヴェチェイン(VEN)
ヴェチェインは、ブロックチェーン技術を用いて商品が本物か偽物かを判断するプラットフォームです。NFCチップを商品にあらかじめ埋め込んでおくことで、それが正規品なのかどうかを見極めることを目指しています。
ブロックチェーンは内容の改ざんが不可能ですので、一発でその商品が本物か偽物かを見極めることができます。
ヴェチェインは、その商品が本物かどうかを見極める以外にも、生産状況や配送状況を確認する手段としても機能します。
例えば、物流の各箇所でチェックを行うことで、その商品が今どのような状態にあるのか、冷蔵商品なら温度や湿度はどれぐらいか、配送状況はどうなっているのか、そういったものを全て一限で管理することができます。
ヴェチェインが本格的に導入されれば、物流業界に大きな旋風を巻き起こすことでしょう。
参照:VeChain公式サイト
ブロックチェーンのまとめ
この記事では、仮想通貨の中でも「ブロックチェーン」という技術に焦点を当てて解説してきました。
ブロックチェーンという技術は、近い将来、世の中を大きく変革していくと考えられます。
仮想通貨の「投機性」の部分にばかり目が行きがちですが、「ブロックチェーン」の部分にもしっかりと注目しましょう。
ブロックチェーンに対する理解を深め、時代を先読みして行動を始めましょう!